イマ注目されている栄養素「葉酸」ってなに?

イマ注目されている栄養素「葉酸」ってなに?

葉酸という栄養素の名前を聞いたことはありますか?葉酸は水溶性ビタミンの一種で、体に良いとのことで今注目の存在です。
いったいどんな働きがあるのでしょうか?

妊婦さんに摂って欲しい葉酸

葉酸とはビタミンB群の一種で、ビタミンM、またはプテロイルグルタミン酸とも呼ばれます。葉酸を特に摂って欲しいのが、妊娠前または妊娠初期の女性。
なぜかというと、葉酸が赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを減らすことができるからなのです。ただし、体に良いからといって摂り過ぎは禁物。
しかも葉酸を含む食品の中には妊娠中の女性にとって好ましくないものもあるので、何がよくて何が悪いのかを、事前に把握しておくことが大切です。

妊婦さん以外にも有効です

もちろん妊娠している人以外にも葉酸は有効です。葉酸は造血作用があるので貧血気味な人にとっても効果的で、DNA形成にも働きかけます。
動脈硬化の原因物質といわれる「ホモシステイン」も減らすので、血管や血液の健康のためにぜひ摂っておきたい栄養素なのです。

葉酸を多く含むレバーと魚卵のリスク

葉酸を多く含む食品の一つに「レバー」がありますが、レバーには皮膚や粘膜、目の健康を保つビタミンAや、骨の健康を保ち免疫力アップに役立つビタミンDも多く含まれます。それぞれ体には欠かせないビタミンですが、過剰に摂ることで赤ちゃんに「水頭症」や「口蓋裂」といった病気のリスクが増すので、摂り過ぎないように気をつけましょう。
また、たらこやいくらなどの魚卵にも葉酸が多く含まれますが、魚卵には「リステリア菌(食中毒の原因菌)」が含まれる場合があります。
妊娠している時にリステリア感染症にかかると流産や早産リスクが高まるので、生の魚卵で葉酸を摂ることは避けておいた方がよいでしょう。

葉酸を多く含む野菜とコーヒーのリスク

「パセリ」や「セロリ」は葉酸を多く含む野菜ですが、同時に「アピオール」という成分を多く含みます。アピオールは中絶に使われる成分なので、妊婦さんにはおすすめできません。
同じく「コーヒー」にも葉酸が含まれますが、「カフェイン」が含まれているのはご存知かと思います。コーヒー同様に、紅茶などにも多く含まれるカフェインは鉄分やカルシウムの吸収を妨げます。
妊娠中は鉄分やカルシウムを摂った方がよいのと、それらの吸収が妨げられると胎児の発育にもよくない影響が高まるため、いずれも妊婦さんは摂取を控えましょう。

妊婦さんにとっての葉酸の適量は

妊娠している女性に効果的とはいえ、葉酸の過剰摂取は禁物です。葉酸を摂り過ぎると、食欲不振やむくみが起こることがあり、かゆみや赤い斑点ができることもあります。不眠症に陥る妊婦さんもいるうえに、赤ちゃんがぜんそくになりやすくなるという発表もあるので、適量を守りましょう。妊婦さんにとっての適量は1日400μgで、多めに摂るとしても1000μgまでが望ましいとされています。

葉酸を摂る際に気をつけたいこと

葉酸は加熱すると失われやすいため、せっかく葉酸が多く含まれる食品を選んでも、調理することで減少してしまうリスクがあります。そのため、加熱せずに食べることができて、出産の際赤ちゃんの体に起こる出血を防ぐビタミンKも含まれる納豆がおすすめ。
他には枝豆、アスパラガス、水菜、ほうれんそう、モロヘイヤなどの野菜を中心に摂りましょう。特にブロッコリー、芽キャベツなどは葉酸の吸収を助けるビタミンCの含有量が高いので、特におすすめです。

記事まとめ

妊婦さんにとって良いと注目されている葉酸ですが、どんな成分でも摂り過ぎは禁物です。適量を守れば、葉酸は妊婦さんにも赤ちゃんにも有効な成分です。
食物で摂る分にはあまり摂り過ぎることはないのですが、サプリなどをせっせと飲み過ぎて摂り過ぎに陥る人がいることも。厚生労働省などでも適量の指針を発表していますので、あくまでも適量摂取を心がけましょう。

参考サイト

一般社団法人葉酸と母子の健康を考える会
グリコ