胎盤早期剥離の予防と対策

胎盤早期剥離の予防と対策

妊娠中、妊婦さんと胎児の両方に危険が及ぶ症状が発生することがあります。
その中で胎盤早期剥離という症状は、0.3~0.9%とけっして高くない発生率ではありますが、母子共に危険が及び、重大な影響をもたらすもの。

どんな症状なのか、どうしたら防げるのかを知っておきましょう。

胎盤早期剥離とは?

胎盤は子宮内壁にあり、胎児に栄養や酸素を届けている大事な臓器。この胎盤が、まだ胎児がお腹にいるうちに子宮から剥離してしまう症状が、胎盤早期剥離です。
胎盤がはがれることによって出血がおこるのですが、子宮と胎盤の間にかたまりとなった血がたまってしまい、胎児に充分な栄養や酸素を届けることができなくなってしまうことも。
それどころか妊婦さん自身にも、出血多量というリスクが起きてしまうのです。胎盤早期剥離は妊娠30~35週という妊娠後期に起きることが多いのですが、初期の状態ではなかなか妊婦さんが気づきにくいのが困った点です。
しかも、自覚症状が現れる頃には症状が進行している場合が多いので、なるべく早期発見することがリスクを下げることにつながります。

胎盤早期剥離によって胎児と母体はどうなる?

胎盤早期剥離により栄養や酸素が届かなくなってしまうということは、最悪の場合、胎児が死亡してしまう場合も。この症状が起こると胎児の死亡率は30~50%と言われています。
剥離の範囲が広いと出血も多くなりますし、胎児に届かなくなる酸素の量も多くなるということで、帝王切開をして胎児を取り出し蘇生処置をしても、胎児に障害が残る場合も少なくありません。
そして、妊婦さんの方も出血多量に陥ったり、子宮と胎盤の間にできた血のかたまりのせいで、「播種性血管内血液凝固症候群」という血が固まりにくくなる病気になったりすることもあるのです。

これにより妊婦さんが臓器障害となり、子宮を摘出しなくてはならなくなったり、最悪妊婦さんの命の危険にまで発展してしまうこともあり、その死亡率は1~2%と言われています。

胎盤早期剥離?と思ったら、早めに対応を

胎盤早期剥離が起こると激しい腹痛があり、お腹が固くなり、不正出血が見られます。
胎児の胎動も弱くなったり、止まってしまったりするのですが、軽い剥離の場合は胎児の異常が発見しにくいことも。

胎児の健康のためには、腹痛などの症状があったらすぐ受診することが肝心です。

胎盤早期剥離を防ぐには

胎盤早期剥離を防ぐには、妊娠高血圧症候群や絨毛膜羊膜炎などの病気にかかっていないか、検査を受けておくことが望まれます。胎児に奇形がある場合も、剥離を起こす危険性があります。
また、以前にも胎盤早期剥離を起こしたことのある妊婦さんは要注意。心配な点がある場合は、早めに医師に相談しましょう。
また普段の食事から葉酸を摂取することもおすすめです。葉酸は臓器の形成に役立っていることから、体内環境を健やかに保つための重要な栄養素と言えます。

記事まとめ

胎盤早期剥離にはたばこの害も関係があるとされ、ニコチンの働きで胎盤の血管が収縮してしまうため起こると言われています。喫煙習慣のある人は、赤ちゃんが欲しいと思ったら早くからたばこをやめるべき。
他にも外部から腹部への刺激が引き金になることもあるので、おなかを叩かれたりぶつけたりしないよう、気をつけたいもの。パートナーの理解や助けを求めましょう。

参考サイト

マイナビニュース