妊婦には必須?葉酸が母体と赤ちゃんに与える影響

妊婦には必須?葉酸が母体と赤ちゃんに与える影響

葉酸は妊婦さんと赤ちゃんのためによいと、最近話題の栄養素。いったい葉酸のどんな点が、妊娠している女性にとってメリットなのでしょうか?
そしてどの段階で摂ればよいのか、適正な量はどのぐらいかもご紹介します。

葉酸を摂るべき時期とは

妊活中や妊娠初期に摂るのがよいと言われる葉酸ですが、実は妊娠してからずっと、授乳が始まってからも必要。妊娠中は胎児を、授乳期は赤ちゃんとお母さんをさまざまな病気から守ってくれる栄養素なのです。
妊娠初期に葉酸を摂ることは胎児を異常から防ぐ働きがあり、妊娠中は胎児の栄養不足を予防します。また、葉酸は鉄分と共に摂ると摂取率がよくなるので、鉄分不足を改善し、妊婦さんの貧血を軽くするというメリットもあります。授乳するようになると赤ちゃんの栄養不足を防いでくれるので、発達障害を防止することもできます。

葉酸でリスク回避できる病気

葉酸とはビタミンB群の1つですが、これを摂ることで胎児の先天性異常をリスクを減らせるということで話題になっています。先天性異常の一つで神経管閉鎖が起こる「二分脊椎症」は、欧米の疫学研究により葉酸を摂取すれば70%もリスクを減らせるということが解っています。この病気は胎児の脊椎骨が変形して脊椎の中の神経が外に出てしまい、足の麻痺、足の変形、排泄障害が起きるというもの。
また、この病気は、脳脊髄液が脳室に貯まって膨らんでしまう水頭症を伴うことが多いので、リスクを減らすためにもぜひ葉酸の摂取を。

早い時期から摂りたい葉酸

葉酸は胎児の成長に関わる細胞分裂を助けるので、妊娠初期は推奨される量を摂るようにしたいもの。ところが、妊娠してまもない妊婦さんはまだ妊娠に気がついておらず、必要な時期に十分な葉酸が摂れないことも考えられます。中枢神経系が作られる大事な時期に間違いなく葉酸を摂取するためには、妊活中から葉酸を摂ったほうがよいでしょう。
そのために妊娠する前から葉酸を摂取するという、アドバイスがされているのです。

なぜ妊娠中は葉酸を摂ったほうがよいの?

妊娠していなければ普通の食事で摂れる分で充分な葉酸ですが、妊娠中は通常時の1.5倍の葉酸が必要となるため、意識して摂らなければなりません。当然、食事だけでは不足することもある上に、水溶性ビタミンなので水に溶け出しやすく、失われやすい栄養素なのです。そのため、効率的に葉酸を摂れる、妊婦さん向けのサプリメントが話題になっているというわけです。
充分な葉酸を摂ることで上述の胎児の健康を守ることができることと、厚生労働省でもサプリメントで葉酸を補うことを奨励しているので、気になる方はサプリメントを選んでみてはいかがでしょうか?

記事まとめ

葉酸の働きは妊婦さんと赤ちゃん、両方の健康を守ってくれるのですが、日本では2000年になるまで葉酸の働きにはあまり注目されておらず、欧米に対して遅れをとっていました。
しかし、葉酸の重要性が評判になってからは啓蒙活動が行われ、結果として葉酸の重要性を皆が知ることとなりました。健康な赤ちゃんを産むためにも、葉酸の働きについて早い時期から学んでおきたいものですね。

参考サイト

毎日新聞