
健康のためとはいえ、どんな栄養素も過ぎたるは猶及ばざるが如し。体に良いと評判の葉酸も同じことで、過剰摂取するとトラブルになるという側面も持っています。
葉酸の摂り過ぎは、どんな結果を招くのでしょうか?
葉酸の摂り過ぎが招く症状
動脈硬化や悪性貧血を防いだり、細胞分裂も助けたりと、妊婦さんにとっては胎児の健康にも影響を及ぼす葉酸。そんな葉酸ですが、やはり摂り過ぎれば問題が起こることもあるのです。葉酸を摂る際、食品だけでは摂取量が不足しがちなので、サプリメントを利用することもあるかと思いますが、摂取量や摂る頻度を間違えると危険です。決められた以上の量を摂ってしまうと、食欲不振や吐き気が起こることがあり、不眠症状が出たり体がむくんだり、じんましんやかゆみが発生してしまう、皮膚に紅斑といった症状がみられます。
こうした自覚症状が見られたら、すぐに医師の診察を受けましょう。
妊娠している女性は特に気をつけて
妊婦さんが1日に必要とする葉酸の量は、厚生労働省によると400μgとなっています。多くても1000μgとされており、あまりたくさん摂ると胎児が喘息になりやすい可能性が高まるとされています。
とはいえ、不足してしまうと「ホモシステイン」というアミノ酸が増えて血流が悪化し、流産リスクが高まる危険性も。規定量を摂る分には問題はなく、むしろ積極的に摂った方がよいものなので、心配な方は医師と相談しつつ摂るようにして下さい。
また、葉酸が多く含まれる食品の中には、妊婦さんにとって問題がある成分を含むものもあります。葉酸を摂るためとはいえ、問題成分も多く摂ってしまうデメリットもあるので、どんな食品にそうした危険があるかを知っておくことも肝心です。
葉酸と共に摂り過ぎてしまうと問題な栄養素
妊婦さんが摂り過ぎないよう気をつけたい食品としては、生ものが挙げられます。例えば、ほたてには多くの葉酸が含まれていますが、刺身など生ものには細菌がいる場合があり妊婦さんには好ましくないので、加熱してから食べるようにしましょう。同様にたらこなどの魚卵も葉酸を多く含みますが、「リステリア菌」という細菌がついていることがあります。
こうした食品を摂ることによって、リステリア感染症にかかると赤ちゃんの流産、早産リスクが高まってしまいます。リステリア菌は熱に弱いので、危険が疑われる食品は加熱して食べましょう。
また、レバーやうなぎの肝には葉酸と共に「レチノール」が含まれ、たくさん摂り過ぎると赤ちゃんが奇形になったり、先天的な異常を起こしたりなどのリスクが発生するので、過剰摂取には気をつけましょう。
記事まとめ
葉酸の摂り過ぎが招く症状は、本人にとっても問題ですが、特に妊娠している女性にとっては胎児が病気になるリスクが高まるので、ぜひ気にしておきたいもの。葉酸は水溶性なので、少々多く摂ってもあまり心配しなくても良いという説もありますが、妊婦さんには注意が必要です。健康のため良かれと思ってせっせとサプリメントを摂った結果、摂り過ぎていたということのないように、あくまでも適量を守りましょう。